インドカレーで何頼む?初心者のための失敗しない注文ガイド

インドカレーで何頼む?|初心者のための失敗しない注文ガイド

インドカレー店に入ったものの、メニューが豊富で「何を頼めばいいの?」と迷ってしまった経験はありませんか。日本のカレーとは違うのはもちろん、広大なインドでは地域によってカレーの種類や特徴もさまざまです。スパイスの効いた辛いカレーから、人気の味であるマイルドな一皿まで、その魅力は多岐にわたります。この記事では、代表的な具材の紹介から、ナンのおすすめの種類、さらには「主食はナンじゃない?」といった豆知識まで、あなたの疑問に答えます。メニューランキングを参考にしつつ、ダイエット中に気になるカロリーが低い順は?という視点も交えながら、自分好みの一皿を見つけるためのコツを分かりやすく解説します。

記事のポイント

  • インドカレーの基本的な種類や特徴がわかる
  • 初心者でも失敗しないメニューの選び方が身につく
  • カレーと一緒に頼むべき主食やサイドメニューがわかる
  • 辛さやカロリーを考慮した注文のコツがわかる

インドカレー屋さんで何を頼む?まず知りたい基本知識

  • 日本のカレーとの違いを知ろう
  • インドカレーの基本的な特徴
  • 地域で違う?カレーの種類の数
  • 代表的なカレーの具材を紹介
  • 実は主食はナンじゃない?

日本のカレーとの違いを知ろう

インドカレーと日本のカレーは、同じ「カレー」という名前でも多くの違いがあります。まず最も分かりやすい違いは「とろみ」です。日本のカレーは小麦粉が入ったカレールウを使ってとろみをつけますが、インドカレーは基本的にルウを使わず、玉ねぎやトマト、ヨーグルトなどをベースに多数のスパイスを調合して作るため、サラサラとしたスープ状のものが多いです。

調理法も大きく異なります。日本のカレーは市販のルウを使えば味が決まりますが、インドカレーは作るたびにスパイスを調合するのが基本です。そのため、お店や家庭によって味が千差万別なのが魅力の一つです。また、主食にも違いが見られます。日本のカレーがご飯と合わせるのが一般的なのに対し、インドカレーはご飯のほか、ナンやチャパティ、ロティといった様々なパン類と共に食べられます。

日本のカレーとインドカレーの主な違い
特徴 日本のカレー インドカレー
とろみ 小麦粉のルウでとろみをつける ほとんどとろみがなく、汁気が多い
調理法 カレールウを使用する その都度スパイスを調合して作る
野菜や肉の旨味が溶け込んだコクのある味 スパイスの香りや辛さが際立つ複雑な味
主食 主にご飯 ご飯、ナン、チャパティ、ロティなど多様

インドカレーの基本的な特徴

インドカレーの最大の特徴は、「スパイスの複雑な組み合わせ」にあります。ターメリック、クミン、コリアンダー、カルダモン、クローブといった基本のスパイスに、チリペッパーで辛さを、シナモンやナツメグで香りを加えるなど、その組み合わせは無限大です。これらのスパイスが、香り、色、味、そして時には薬効として、カレーに奥深さを与えています。

また、油の使い方も特徴的です。北インドでは「ギー」と呼ばれるバターオイルがよく使われ、料理に濃厚なコクと風味を加えます。一方で南インドではココナッツオイルやごま油が使われることが多く、比較的さっぱりとした仕上がりになります。

宗教と食文化

インドでは宗教が食文化に深く関わっています。ヒンドゥー教徒は牛を神聖な動物としているため牛肉を食べず、イスラム教徒は豚肉を食べません。そのため、インド料理店では鶏肉(チキン)や羊肉(マトン)、魚、野菜、豆を使ったカレーが主流となっています。

このように、インドカレーは単なる煮込み料理ではなく、スパイスの調合技術、地域の気候、そして宗教的背景が複雑に絡み合って形成された、奥深い食文化の結晶と言えるでしょう。

地域で違う?カレーの種類の数

広大なインドでは、地域によって気候や文化が大きく異なるため、カレーの種類やスタイルも全く違います。主に、「北インドカレー」と「南インドカレー」の2つに大別され、それぞれに無数のバリエーションが存在します。

北インドカレー

日本で一般的に「インドカレー」としてイメージされるのは、この北インドスタイルが多いです。生クリームやバター、ギーなどの乳製品をふんだんに使い、カシューナッツペーストでとろみをつけた、濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。具材はチキンやマトンなどの肉類が中心で、タンドール窯で焼いたナンやチャパティといった小麦粉のパンと一緒に食べるのが主流です。代表的なカレーには「バターチキンカレー」や「パラックパニール(ほうれん草とチーズのカレー)」があります。

南インドカレー

一方、南インドのカレーは北インドに比べて水分が多く、サラサラとしたスープ状なのが特徴です。ココナッツミルクをベースに、マスタードシードやカレーリーフといったスパイス、タマリンドやトマトの酸味を効かせた、スパイシーでさっぱりとした味わいが多くあります。年間を通して温暖な気候のため、稲作が盛んで主食は米(バスマティライスなど)です。具材も野菜や豆、魚介類が中心となります。「サンバル(豆と野菜のカレー)」や「ラッサム(酸味の効いたスープ)」、「ケララフィッシュ(魚のカレー)」などが有名です。

北と南のスタイルの見分け方

メニューに「バターチキン」や「キーマ」があれば北インド系、「ミールス(定食)」や「ドーサ(クレープ状の料理)」があれば南インド系の可能性が高いです。お店選びの参考にしてみてください。

代表的なカレーの具材を紹介

インドカレーは使われる具材によって、その名前や味わいが大きく変わります。ここでは、インド料理店でよく見かける代表的な具材とそのカレーの特徴を紹介します。

チキン(鶏肉)

最もポピュラーな具材で、クセがなくどんなスパイスとも相性が良いため、様々な種類のカレーに使われます。トマトベースのクリーミーな「バターチキン」や、ひき肉を使った「キーマカレー」などが代表的です。

マトン(羊肉)

独特の風味としっかりとした旨味があるマトンは、スパイスを効かせた濃厚なカレーと非常によく合います。肉の臭みを消すために多くのスパイスが使われるため、本格的なスパイス感を味わいたい方におすすめです。

ダール(豆)

インドの家庭料理の定番で、菜食主義者にとって重要なたんぱく源です。レンズ豆やひよこ豆など、様々な種類の豆をペースト状になるまで煮込んで作られます。素朴で優しい味わいが特徴で、胃にもたれにくいです。ひよこ豆を使った「チャナマサラ」は特に人気があります。

パラック(ほうれん草)

ほうれん草をペースト状にして作る緑色のカレーで、「サグカレー」とも呼ばれます。ほうれん草の風味とスパイスが絶妙にマッチし、見た目以上に濃厚でコクのある味わいです。インドのカッテージチーズである「パニール」を入れた「パラックパニール」は特に有名です。

シーフード(魚介)

特に南インドや沿岸部でよく食べられるのが、魚やエビを使ったカレーです。ココナッツミルクをベースにしたマイルドなものや、タマリンドの酸味を効かせたさっぱりしたものなど、バリエーションが豊かです。

実は主食はナンじゃない?

日本では「インドカレーといえばナン」というイメージが非常に強いですが、実はインドの一般家庭ではナンはほとんど食べられていません。ナンは精製した小麦粉を使い、「タンドール」と呼ばれる高温の壺窯で焼く必要があります。このタンドールは一般家庭にはなく、燃料の確保も大変なため、ナンはレストランで食べる特別なごちそう、という位置づけなのです。

もともとナンは、北インドの宮廷料理が発祥とされる贅沢な食べ物でした。日本で広く普及したのは、インド料理店のシェフが日本人向けにアピールした結果と言われています。

では、インドの家庭では何を主食にしているのでしょうか。北インドでは、全粒粉を使った無発酵の薄焼きパン「チャパティ」が毎日のように食卓にのぼります。チャパティはフライパンで手軽に焼けるため、家庭料理として定着しています。一方、南インドでは「バスマティライス」などの長粒米が主食です。日本のお米とは違い、パラパラとした食感が特徴で、サラサラの南インドカレーとよく絡みます。

インドの本当の主食

  • 北インド:チャパティ、ロティ(全粒粉の薄焼きパン)
  • 南インド:バスマティライス(長粒米)

ナンは、レストランで楽しむ「特別なパン」と覚えておくと良いでしょう。

インドカレーで何を頼む?実践的なメニュー選び方

  • 初心者向け人気メニューランキング
  • 初心者でも安心な人気の味
  • ナンのおすすめと種類の選び方
  • 辛いカレーが好きな人への選び方
  • カロリーが低い順にカレーを紹介

初心者向け人気メニューランキング

豊富なメニューの中から何を選べば良いか迷ってしまう初心者のために、多くのインド料理店で定番となっている人気のカレーをランキング形式で紹介します。まずはこの中から選べば、まず失敗することはないでしょう。

初心者におすすめの人気カレーランキング
順位 カレーの種類 主な特徴
1位 バターチキンカレー トマトベースでクリーミー。甘みがあり辛さが控えめで、子どもから大人まで大人気。
2位 キーマカレー 鶏やマトンのひき肉を使ったカレー。肉の旨味が凝縮されており、ナンともライスとも相性抜群。
3位 パラックパニール(ほうれん草カレー) ほうれん草のペーストにチーズが入った栄養満点のカレー。見た目より濃厚でマイルド。
4位 ダールカレー(豆カレー) 豆を煮込んだヘルシーで優しい味わい。スパイスの風味をシンプルに楽しめる。
5位 マトンカレー 羊肉の旨味とスパイスの香りが楽しめる本格派。少しクセがあるが、やみつきになる味。

もしセットメニューがあれば、初心者はまずそれを頼むのが最も簡単で確実です。「ターリー」や「ミールス」という名前で提供されていることが多く、数種類のカレーとナン、ライス、サラダなどが一度に楽しめてお得です。

初心者でも安心な人気の味

インドカレー初心者の方や、辛いものが苦手な方に絶対的におすすめなのが「バターチキンカレー」です。これは、インドカレーの中でも特に人気の味で、まず外すことがありません。

バターチキンカレーのベースは、トマト、バター、生クリーム。スパイスは使われていますが、トマトの酸味と甘み、そして乳製品のコクが全体を非常にマイルドに仕上げています。辛さはほとんどなく、むしろ甘みを感じるほどなので、お子様でも安心して食べられます。具材のチキンは、ヨーグルトやスパイスに漬け込んでタンドールで焼いた「タンドリーチキン」が使われることが多く、柔らかくて香ばしいのが特徴です。

「インドカレーは辛い」というイメージを持っている方にこそ、最初に試してほしい一皿です。このカレーをきっかけに、インドカレーの奥深い世界にハマる人も多いですよ。

そのまろやかで濃厚な味わいは、もちもちのナンとの相性が抜群です。ちぎったナンにたっぷりとカレーをつけて食べれば、スパイスの香りとクリーミーな味わいが口いっぱいに広がります。

ナンのおすすめと種類の選び方

インドカレーの最高のパートナーであるナン。多くの店では、プレーンナン以外にも様々な種類のナンが用意されています。カレーとの組み合わせを考えて選ぶと、食事がさらに楽しくなります。

プレーンナン

最もベーシックなナン。ふっくら、もちもちとした食感で、どんなカレーにも合います。まずはこれを頼むのが基本です。

チーズナン

ナンの生地の中に、とろけるチーズがたっぷり入った人気のナン。濃厚な味わいで、それ自体が主役級の美味しさです。特にバターチキンカレーのようなマイルドなカレーとよく合います。ただし、ボリュームがあるのでお腹の空き具合と相談して注文しましょう。

ガーリックナン

刻んだニンニクを乗せて焼いた、食欲をそそる香ばしいナンです。マトンのような少しクセのあるカレーや、スパイシーなキーマカレーとの相性が抜群です。

カブリナン(カシミールナン)

レーズンやナッツ、ココナッツなどを生地に混ぜ込んで焼いた、甘いデザートのようなナン。カレーの辛さとの対比が面白く、特に女性に人気があります。辛口のカレーと合わせるのがおすすめです。

チーズナンは高カロリーに注意

美味しいチーズナンですが、チーズが入っている分、プレーンナンに比べてカロリーや脂質が高めです。ダイエット中の方は、友人や家族とシェアして楽しむのが良いかもしれません。

辛いカレーが好きな人への選び方

インドカレーの醍醐味の一つは、やはりスパイスの刺激的な辛さです。辛いものが好きな方は、ぜひ本場の辛さに挑戦してみてください。

多くのインド料理店では、注文時にカレーの辛さを数段階から選べるようになっています。一般的には「甘口(マイルド)」から始まり、「普通(ノーマル)」「中辛(ミディアムホット)」「大辛(ホット)」「激辛(ベリーホット)」といった段階が用意されています。まずは中辛あたりから試してみて、自分の好みの辛さを見つけるのがおすすめです。

また、カレーの種類によっても辛さの傾向があります。より刺激的な辛さを求めるなら、以下のカレーを選んでみると良いでしょう。

  • マサラ系のカレー:「チキンティッカマサラ」や「ポークマサラ」など、「マサラ(=スパイスを混ぜ合わせたもの)」と付くカレーは、スパイスが豊富で辛めに作られていることが多いです。
  • ポークビンダルー:インド西部のゴア州発祥のカレー。ワインビネガーの酸味と唐辛子の強烈な辛さが特徴で、酸っぱくて辛い独特の味わいがクセになります。

メニュー表には5辛までしか書かれていなくても、お店によっては裏メニューとして10辛、20辛といった超激辛レベルに対応してくれることもあります。我こそはという激辛好きの方は、店員さんに相談してみてはいかがでしょうか。

カロリーが低い順にカレーを紹介

スパイシーで美味しいインドカレーですが、ダイエット中にはカロリーも気になるところです。一般的に、インドカレーは日本のカレールウを使わない分、脂質が少ない傾向にありますが、種類によってカロリーは大きく異なります。

【注釈】これから紹介するカロリーに関する情報は、一般的なレシピに基づく目安です。お店の調理法や具材によって数値は変動するため、正確な情報ではありません。健康に関わる判断は、専門家や公式サイトの情報をご参照ください。

カロリー計算アプリ「あすけん」などの情報によると、代表的なインドカレーのルー(1人前)のカロリーは以下のようになっているという情報があります。

  1. ほうれん草カレー(パラック):約212kcal
  2. バターチキンカレー:約286kcal
  3. マトンカレー:約358kcal
  4. 豆カレー(ダール):約407kcal

(参照:あすけん簡単カロリー計算

意外にも、ヘルシーなイメージの豆カレーが比較的高カロリーという結果ですが、これは豆自体のカロリーや調理時に使う油の量に影響されるためです。一方で、野菜が中心のほうれん草カレーは低カロリーな傾向にあります。バターや生クリームを使うバターチキンカレーも、肉の量が比較的少ないため、マトンカレーよりはカロリーが抑えられるようです。

ダイエット中のポイント

カロリーを抑えたい場合は、ナンよりもごはんを選ぶのがおすすめです。一般的なプレーンナン1枚(約150g)が約386kcalなのに対し、ごはん大盛り1杯(200g)は約312kcalとされています。特にナンにはバターやギーが塗られていることが多いため、脂質も高くなりがちです。

まとめ:インドカレーの注文で失敗しないポイント

  • インドカレーは日本のカレーと違いルウを使わずサラサラしている
  • スパイスの複雑な調合がインドカレーの味の決め手
  • 北インドは濃厚クリーミー、南インドはサラサラスパイシーが特徴
  • 初心者はまずセットメニューの「ターリー」や「ミールス」がおすすめ
  • 何に迷ったら一番人気のバターチキンカレーを選べば間違いない
  • バターチキンは辛さがなくマイルドで子どもでも食べやすい
  • 肉の旨味を楽しみたいならひき肉のキーマカレーも人気
  • ナンにも種類がありチーズナンやガーリックナンも楽しめる
  • 実はインドの家庭の主食はナンではなくチャパティやライス
  • 多くの店ではカレーの辛さを段階的に選ぶことができる
  • 辛いものが好きならマサラ系やポークビンダルーに挑戦
  • カロリーが気になるならほうれん草カレーなどの野菜系を選ぶ
  • 主食はナンよりもごはんの方がカロリーを抑えやすい傾向がある
  • お店のHPやレビューサイトで看板メニューを調べておくのも良い方法
  • 分からないことは店員さんにおすすめを聞いてみるのが一番確実
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